着映えしやすい配色のコツ

服を素敵にコーディネートするには、アイテム同士の色の合わせ方が大切です。着映えして見えやすい配色について、東京・日本橋馬喰町で本来の自分の魅力を発揮するためのレッスンが出来るサロン、『パーソナルスタイリングhanairo』が解説します。

パーソナルカラーとファッション雑誌の配色

パーソナルカラー診断でタイプ別に似合うとされる配色と、ファッション雑誌やブランドのLOOKBOOKに載っているような配色、かなり見え方が違う物があるという事にお気づきの方も多いと思います。後者みたいな配色を着てみたいけど、組み方が分からない、という方向けに解説させていただきます。まずは、それぞれの配色の考え方の違いです。

▼パーソナルカラー診断(コラボアイテム)

同じパーソナルカラーのタイプの色で組んであり、色の法則が分かり易い。日常で着まわしやすい配色方法。

▼ブランドのLOOKBOOKにありそうな配色

・複数のパーソナルカラーの季節の色が混じっていることがある(混ざってなくても、対比のある色選びが多い)。
女子会などで、お洒落と言われやすい着映えして見える配色方法。

例:黒のトップス+黒の靴(PC冬)
  カーキのパンツ+金色のアクセサリー+茶のバッグ(PC秋)

例:
・茶と白のシャツワンピース+オフホワイトのトップス+ベージュのボトムス+ベージュの靴(PC春)
・水色のバッグ(PC夏)

■一般的なパーソナルカラー診断の配色

・すべて同じ季節の中の色で組む

※以下、一部イラストレーターの方がフリー素材として公開されているイラストを、利用規約に沿って使用させていただいております。

どうしてこういう配色になるの?

パーソナルカラー理論における、似合う色同士の考え方の基本として、「なじみ」「類似」が挙げられます。

アメリカの色彩学者ジャッドの色彩調和の原理における、以下2つを重視して服のカラーコーディネートを提案します。

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1.秩序 規則的に選んだ色は調和する

2.なじみ 自然の色の組み合わせのように、良く知られた組み合わせは調和する。
例:明るい所は黄色みを帯び、暗い所は青みを帯びる。
⇒黄色と青を並べるときは、黄色の明度を高く、青の明度を低くすると調和しやすい。

3.類似性 共通性があれば調和する。
(色の4属性 色相・明度・彩度・清濁)を合わせる。

4.明瞭性 色同士の関係性が明快なら調和する。

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■ファッション雑誌に載っているような配色

・他の季節の色も混ぜて組む

・4属性(色相・明度・彩度・清濁)が、対比する色を含める。

▼2021/6/8 追記 6/6ミニセミナーでの解説動画

パーソナルカラー夏+秋の色

パーソナルカラー秋+冬の色

どの調和の原理を使って配色を作るの?

ファッションコーディネートの世界では、「なじみ」「類似」の他に、「対比」の関係も重視して色を使うことが挙げられます。

ジャッドの色彩調和の原理でいうと、全ての原理を組みたいイメージに沿って使い分けます。

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1.秩序 規則的に選んだ色は調和する

2.なじみ 自然の色の組み合わせのように、良く知られた組み合わせは調和する。

3.類似性 共通性があれば調和する。

4.明瞭性 色同士の関係性が明快なら調和する。

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配色の作り方

「配色を作る」と難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば、あるルールに沿った色の並べ方をすることです。

12色の色相環を使えば、心地よく見える調和する色の組み合わせが誰でもすぐに作れます。

※実際の服に落とし込むと、このような配色ルールにきっちり合う色相のアイテムを見つけるのは結構難しいので、幅を持たせて考えておいた方が、コーディネートしやすくなります。色の見え方は、光(太陽光・蛍光灯・白熱灯)の条件によっても変わってきますので、だいたい合っていれば、服の配色として問題なく着映えして見えます。

配色作りの基本ルール

①整数で割った数の色同士を組み合わせると調和する

6・5・4・3・2の整数で、色相環を割ると調和する配色が作れます。

2で割った配色 

5で割った配色 

②近い色を組み合わせる 

隣同士の色相 赤紫+紫

③ 色相環に無い色=白・黒・灰色と、色相環の色を組み合わせる

このような手順で、順番立てて組むと、着映えするコーディネートを組むことが出来ます。

▼2021/6/8 追記 6/6ミニセミナーでの解説動画

ダサく見えてしまう配色はあるの?

ダサく見えるというと語弊がありますが、洋服で着ると中々おしゃれに着こなすのが難しい、高難度の配色があります。それは中差色相配色です。色相環で、やや離れた所にある色同士(似てもいなければ、対比が強い色でもない)で組む配色になります。

こちらは、東洋の民族衣装、日本だと十二単などに見られる配色で、色だけで和を感じさせます。洋服は西洋のものなので、そこに東洋の色を載せると違和感が生まれやすく、着こなしが難しくなります。

洋服にする場合は、着物に近づけた形のパターンにすると、おしゃれに着こなしやすくなります。ブランドだと、着物をモチーフにしたアイテムが多い『ふりふ』のスタイリングはこの配色のものがよく見つかります。

服のカラーコーディネートの手順

では、実際にトップス+ボトムス+小物の組み合わせで、カラーコーディネートを組んでみます。今回は、トップス・ボトムスとも単色で組み、色相環を2で割った対比が強い配色と、隣の色を使った対比の弱い配色で作ってみます。

着映えして見せるコツが4つあります。

①トップスにパーソナルカラーを選ぶ。

トップスは、顎周りの反射光の影響もあり、お顔の見え方に強く作用するので、健康的にいきいき見える色=パーソナルカラーから、好きな色を撰ぶのがおすすめです。パーソナルカラーについて、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

パーソナルカラーとは?

選んだパーソナルカラーの色が、色相環でどの色相にあたるか調べます。通常、色相環というと以下の表でビビッドトーンにあたる鮮やかな色のものが使われますが、それから予測して色相を割り出すのは訓練しないと難しいので、明度と彩度を変えた色相環を並べてある、トーン表という表から選ぶのがおすすめです。

今回は、パーソナルカラー夏タイプのラベンダー色を選んだとします。色相は紫で、トーン表だとペールトーンのあたりになります。

②配色を選ぶ。

色相環から、配色を選びます。今回は2色を使うので、色相環を2で割った対比が強い配色と、隣の色を使った類似の色の配色で作ってみます。

②顔にある色の差に合わせて、ボトムスの色を選ぶ。

服の色の差が顔より強いと、顔が目立たなくなり、反対に弱いと顔だけ目立ち、全体の統一感が弱くなってしまいます。同じくらいに調節することで、まとまりのあるコーディネートになります。差に合うように、ボトムスに選んだ色に、白・黒・灰色を足すか引くかして、服の色と顔とのバランスが取れる色にします。顔の色の差が大きい方は、色の差が小さい方のボトムスの色から白を引いて、色を濃くしています。

セパレートカラーとアクセントカラーを使う。

更にこなれた感じの配色にするテクニックとして、セパレートカラーとアクセントカラーを入れる方法があります。(使わず③までの手順で終わらせても問題ありません。)お顔にある色の差が小さい場合、アクセントカラーはその部分だけが目立ってしまうため、入れるのに向かないことがあります。

セパレートカラーは、組み合わせた色同士の対比が強すぎる、または曖昧過ぎる時に、間に白・黒・灰色・銀・金を入れて、中和する色の使い方です。クリスマスの、赤と緑に挟まれた白・金・銀の役割はこちらです。

パーソナルカラー春と冬の方は、鮮やかで前に出て見える色がお似合いになる為、似合う配色が強くなリすぎる事があります。その場合、間にセパレートカラーを挟むと、適度な見え方に調整ができます。

アクセントカラーは、組み合わせた色が似ていて、ぼんやりした印象の時に、反対の性質の色を全体の5〜10%入れて、メリハリを足す色の使い方です。ファッション雑誌のコーディネートなどでも多用されている、着映えしやすい配色テクニックです。

このように、トップス(顔周り)にパーソナルカラーを用いて、他のアイテムを配色の法則を使って色を選んでいくと、ファッション雑誌で見るようなカラーコーディネートが組めるようになります。ボトムスに接する足の色をきれいに見せたい時は、こちらもパーソナルカラーの中で色を選び、配色の法則を使いながら組むのがおすすめですが、足は顔よりも色の反射光の回りこみの影響が少ない為、イエローベース(春秋)・ブルーベース(夏冬)を合わせれば、他の季節から色を使っても極端に肌色が悪く見えることはありません。

ベーシックカラーを使った毎日のおしゃれ配色

『おしゃれな人のクローゼットは、7割がベーシックカラー』と言われるのを聞いたことはありますか。この比率ぴったりではなくても、「いつでもおしゃれ」と言われる人はベーシックカラーの扱いが上手な方が多いです。

ベーシックカラーとは、黒・白・灰色・紺・茶・ベージュなど、鮮やかさの度合いである彩度が低い色の事を主に指します。彩度対比は、鮮やかな方が前に出て見えます。そうでない方は奥に引っ込んで見える為、あまり記憶に残りません。その為、他の色と組み合わせて着回しするのに適しているのがベーシックカラーです。光り方が控えめな金や銀のアイテムも、ベーシックカラーとして実は使いやすい色です。

トーン表だと「グレイッシュ」とトーン名についている色が、ベーシックカラーとして使いまわしやすい色になります。

ベーシックカラーは、色相対比で組んだ配色に、足して使うことができます。その際、全体での色の差が顔とちぐはぐにならないようにするのだけ気をつけます。

紫+緑(2分割に近い配色)+茶・銀(ベーシックカラー)

青緑+灰色・茶(ベーシックカラー)

また、色相環からとった単色と、ベーシックカラーを組み合わせる配色の組み方もあります。その場合も、色の差を気をつけて組みます。

着映えしやすい定番配色

配色の中でも、ファッションの世界で定番として根付いているものがあります。簡単におしゃれに見せやすい配色をご紹介します。

青+茶(オレンジ)

青いデニムと、茶系の小物は定番中の定番。色の暗さ・鮮やかさに差をつけるのが見せるのがコツです。

青+白+赤

マリンスタイルやフレンチシックの定番がこちら。フレンチシックに組む際は、青を黒・茶に変えても素敵です。

茶(ベージュ)+銀

パーソナルカラーの考え方だと、ベージュはイエローベースの春・秋タイプが得意、銀はブルーベースの夏・冬タイプが得意とされている事が多いのですが、2つを混ぜたこの配色も、ファッションブランドでよく見る着映えする配色の1つです。

青+金

こちらも、パーソナルカラー的には、紺がブルーベースの夏・冬タイプが得意、金がイエローベースの春・秋タイプが得意、とされていますが、デニムジーンズの足元に金のシューズなど着映えして見えやすい配色です。

多色使いアイテムの小物合わせ

アイテム自体に色が多い場合は、色合わせが難しい、というお声を聞くことがあります。合わせ方として大きくは以下の3パターンがあります。

①アイテム以外をベーシックカラーでまとめる

②多色アイテムの中から一色取る

③多色アイテムに入っている色の対比となる色を小物に入れる

見本として、スタイリストの私物とサロンに置いてあるアイテムで、画像を作成しました。
※モデルの顔のコントラストが強くないので、似合う似合わないで診断するとすれば、ベーシックカラーでまとめたものの方が似合っています。アクセントカラーを入れた例は、お顔のコントラストがもっと強い方向けの色の合わせ方としてご覧いただければ幸いです。

多色の入ったスカートの例

①アイテム以外をベーシックカラーでまとめる ②多色アイテムの中から一色取る

多色の入ったワンピースの例

①アイテム以外をベーシックカラーでまとめる

③多色アイテムに入っている色の対比となる色を小物に入れる

アイテムに色が多い場合の小物の色選びは簡単ではありません。一番簡単に調和がとれるのは、ベーシックカラーを合わせる事です。

ベーシックカラー以外の色を小物に挑戦される場合は、まずはプチプラアイテム(最近は、ZOZOや楽天で1000円台でカラフルなバッグが揃います。)で試してみるのもおすすめです。

まとめ

★雑誌に載っているような配色を作るポイントは、色相環を使うこと。

★配色が強過ぎたり曖昧に見え過ぎたら、『セパレートカラー』を足す。

★配色にメリハリが無かったら、『アクセントカラー』を足す。

★顔周りにある色に沿って、全体の配色の色の差を出す。

★パーソナルカラー診断では得意とされない色の組み合わせでも、定番の着映え配色を使ってみる。

★アイテムに色が多くて困った時は、小物にはベーシックカラーを入れておく。

お洒落は、色々試す過程も楽しみのうちですので、ご自身らしい配色を探す過程も楽しんでいただけたら幸いです。

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